「遮音と吸音について」の動画をYouTubeに掲載しました!

こんばんは、リブグラフィです😊

本日はリブグラフィのYouTubeでアップした動画について、折角なのでこのブログでもご紹介させて頂きます!第一回目は「遮音と吸音」について。防音と一口に言っても大きく【遮音】【吸音】【防振】【制振】の4つの方法があります。今回はその中で 「遮音と吸音」 について試験を交えて紹介しております✨

コチラから動画の視聴もして頂けます😊

試験目的

  • 遮音と吸音のそれぞれの特徴、効果を出すための考え方を知って貰う

試験概要

  • 計測器:RION社製 精密騒音計 NA-28
  • 使用する音:ピンクノイズ(防音の実験でよく使われる音で1オクターブ毎の音の強さが一定のノイズ)
  • 計測時間:10秒間行い、その平均値を結果として示します
  • 計測値:スピーカーから40cm離れたA地点/スピーカーから5cm離れたB地点
  • 遮音ボックス:1mm厚鉄製ボックス(30cm×30cm×30cm)
  • 吸音材:50mm厚ポリエステル繊維吸音材(QonPET 50mm)

①スピーカーだけでの試験

まずは何もない環境でスピーカーから出ている音をA地点で計測します。★ A地点の計測結果:73.6dB

 

続いてB地点で計測をします。★B地点での計測結果:88.4dB

 このスピーカーだけの音と比較し、遮音・吸音の対策の効果を確認していきます。

②鉄製のボックス (遮音ボックス) に入れての試験

次にスピーカーをこちらの鉄製のボックスに入れて遮音の試験を行います。今回はこちらの鉄製のボックスでスピーカーの音を遮音・遮断することで音を低減する方法になります。先ほどと同じようにA地点、その後ボックスの中のB地点を計測していきます。

 

まずA地点を計測します。★A地点の計測結果:64.6dB

 

続いてB地点の計測をします。B地点はボックスの中になりますので、計測用のマイクをケーブルを使い延長し蓋の隙間から中に通して計測を行います。蓋の隙間から音が漏れないように隙間は粘土で埋めています。★B地点の計測結果:90.8dB

 

【②鉄製のボックスに入れての試験】では【①スピーカーだけでの試験】結果と比較し、「ボックス外側のA地点で9dB音が小さくなっている」、「ボックス内側のB地点では2.4dB音が大きくなっている」となります。

これは鉄製のボックスで音を遮断・遮音することで音を閉じ込めており、外に漏れる音は小さくなり、中の音は閉じ込められることで反射・増幅し大きくなっています。また遮音性能は単位面積当たりの重さに比例して効果が高く、重い材質の方がより閉じ込め外に漏れる音が小さくなります。

 

③鉄製のボックス(遮音ボックス)を5cmほど隙間をあけて試験

遮音性能は隙間があると効果が下がります。特に重さに頼った遮音方法だと顕著に効果が下がります。

今回はどの位効果が下がるか、鉄製のボックスのふたを5cmほど隙間をあけて試験を行います。

まずはA地点の計測をします。 ★A地点の計測結果:72.8dB

 

それでは続いてボックス内側のB地点での計測をします。★B地点の計測結果:89.7dB

この【③鉄製のボックス(遮音ボックス)を5cmほど隙間をあけて試験】では 【①スピーカーだけでの試験】 結果と比較し、「ボックス外側のA地点では0.8dB音が小さく」、「ボックス内のB地点では1.3dB音が大きくなりました。」鉄製のボックスで囲っているのですが隙間があるとほとんど防音の効果がでていないことが判ります。

 

④ 鉄製のボックス(遮音ボックス) に吸音材を入れて試験

次に、吸音の試験をしていきます。先程の鉄製のボックスに、今回は吸音材を入れて試験を行います。

計測位置は先程と同じA地点、B地点の2か所で行います。

 

それではA地点から計測していきます。★A地点の計測結果:49.1dB

 

次に、B地点を計測します。 ★B地点の計測結果:82.8dB

【④ 鉄製のボックス(遮音ボックス) に吸音材を入れて試験】では 【①スピーカーだけでの試験】 結果と比較し、「A地点では24dB、B地点では5.6dB音が小さくなっています。」

また【②鉄製のボックス (遮音ボックス) に入れての試験】と比較すると、「A地点では15.5dB、B地点では8dB音が小さくなっています。」遮音材だけでを使用した際には騒音が大きくなっていたボックス内部も吸音材が反射を吸収し、中の音が小さくなっています。

 

遮音ボックスだけでは騒音が大きくなっていたボックスの内部の音も吸音材を入れることで反射を吸収し、中の音が小さくなりました!

試験の通り、吸音材は壁などで反響して大きくなる反響音を小さくする効果があります。

なので重量のある遮音材を取り付けられない場合、音の発生源がある側の空間の防音、反射・反響による騒音の低減、賃貸住宅などで十分な遮音対策が出来ない環境での防音対策として有効な手段です。

⑤ 鉄製のボックス(遮音ボックス) を1面だけ開けて試験

次はこのようにボックスの1面だけ開けた状態でのA地点での音を、ボックスのみの時、吸音材を追加した時のそれぞれの場合で試験を行ってみます。

まずは、ボックスのみの状態で計測していきます。★ボックスのみの計測結果:72.6dB

周りの壁により音が増幅され、ボックスから漏れる音が 【①スピーカーだけでの試験】 と比較して、ほとんど変わらないことがわかります。

 

次に、中に吸音材を入れて同様の試験を行います。★吸音材を入れての計測結果:63.7dB

 

1面が開いていても、吸音材を中に入れることで8.9dB程度の音の減少が確認できることがわかりました。

遮音が十分でないと防音の効果が下がることは遮音効果の試験で説明させて頂きましたが、今回のように大きな開口部がある場合でも遮音材と吸音材を合せて使うことで音の低減効果を出すこともできます。

 

⑥遮音と吸音まとめ

簡単な遮音と吸音の試験をさせて頂きました😊

遮音とは壁などで音を遮断し壁の向こう側に伝わる音を低減する防音方法です。ですが内側の反射が強くなるので反響音がうるさくなってしまいます。

 

また吸音は、壁などで反射して部屋の内部での大きくなってしまう音を小さくする防音方法です。音の発生源がある側の防音、反響による騒音の低減、十分な遮音ができない環境での対策に有効です!ただし、隣の部屋から壁を抜ける音の対策には不向きです。

⑦最後に

今回は遮音・吸音のしくみについて基礎的な内容を試験を交え説明させて頂きました。実際の遮音・吸音ではそれぞれ得意なシチュエーションが異なりますので、そのあたりのより細かな内容については次回以降の動画で詳しく説明させて頂きます。

この動画で遮音と吸音のイメージを掴んで頂ければ幸いです・・!

  

また今年のリブグラフィの営業は本日までとなります。新年は5日からです!

2021年リブグラフィのブログを見て下さった皆様ありがとうございました😊

来年も何卒よろしくお願い申し上げます。よいお年をお迎えくださいね🥰

 

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